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【連載】みんなが気になる「顔」の話 By 山口真美

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「顔」や「表情」の謎を研究する心理学者・山口真美さんの連載エッセイ。人間は、他人の顔や表情、さらには自分の顔をつねに気にしていますが、その理由を、山口さん自身が行なっている研究や… もっと読む
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#第一印象

新連載『みんなが気になる「顔」の話』始まります!

こんにちは、集英社インターナショナル・編集者のMSと申します。 いきなりですが、コンピュータの世界では「インターフェース」という言葉がよく使われるのはご存じですよね。 インターフェースとはコンピュータと人間が接触する「境界面」のこと。 たとえばディスプレイもそうですし、キーボードやマウスなども典型的なインターフェースですね。最近ではマイクやカメラも一般的なインターフェースになりつつあります(Zoom会議など)。 スマホなどでは画面そのものが出力と入力の両方の役割を果たし

第11回 人相占いは当たるのか?(後編)

(前編より続く) なぜ人相研究は批判されるのかこのように、人相学や観相学は、批判されながらも何度も流行を繰り返しています。 人相学に対する最たる批判は、顔は表情のようにくるくる変わる側面があるのだから、人相なんてものはないというもの。顔はその時々の感情を伝えるものであり、顔の違いは二の次という理屈です。 しかも表情だけでなく、成長によっても顔は変わります。また、太ったり痩せたりもします。 その点、コルマンの相貌学(前編参照)の「成長して変わっていく部分が性格を作り上げる

第12回「人の見た目」よりも「社会の見た目」(前編)

なぜ人は教科書の偉人の顔に落書きするのか写真や映像として切り取られた顔に対して、人はどうも無頓着になりがちです。 子ども時代、教科書に出ている著名人の顔写真にいたずら書きをした人は少なくないでしょう。街角に貼られた選挙のポスターの顔に対して、まるで「品評会」のように無責任な批評を言ったりするのも、子ども時代の「あるある」です。 現代の私たちは「印刷された顔」と幼い頃からそんな調子で付き合ってきているのですから、テレビや新聞や雑誌に出ている顔も、当然軽く扱われてしまいがちで