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【連載】みんなが気になる「顔」の話 By 山口真美

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「顔」や「表情」の謎を研究する心理学者・山口真美さんの連載エッセイ。人間は、他人の顔や表情、さらには自分の顔をつねに気にしていますが、その理由を、山口さん自身が行なっている研究や… もっと読む
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#錯視

新連載『みんなが気になる「顔」の話』始まります!

こんにちは、集英社インターナショナル・編集者のMSと申します。 いきなりですが、コンピュータの世界では「インターフェース」という言葉がよく使われるのはご存じですよね。 インターフェースとはコンピュータと人間が接触する「境界面」のこと。 たとえばディスプレイもそうですし、キーボードやマウスなども典型的なインターフェースですね。最近ではマイクやカメラも一般的なインターフェースになりつつあります(Zoom会議など)。 スマホなどでは画面そのものが出力と入力の両方の役割を果たし

第10回 鏡を見続けると「ヤバイ」わけ(前編)

人はなぜ美容整形をするのか最初はプチ整形のつもりでも、いったん整形してみると、あちこちが気になりだして、顔をいじるのに歯止めがきかなくなってしまい、気がつくと全然別人の顔になってしまう──そんなホラーのような話をよく聞きます。実際、そんなことはよく起きるのでしょうか。 また、これは私見ですが、整形にこだわる日本人は目をいじりすぎるように感じます。二重まぶたにしたい、涙袋を作りたい、目元の形が気になる……なぜ、日本人は目が気になるのでしょうか。 今回は美容整形にまつわる、こ

第10回 鏡を見続けると「ヤバい」わけ(後編)

(前編はこちら) 目の魅力を決める「ある部分」とは次に目の魅力の話をしましょう。 目の中の小さな部分が、人の魅力を変える力を持っています。 日本人ならば「それは、一重(ひとえ)か二重(ふたえ)の違いのことかしら?」と思うでしょうが、それではありません。 ちなみに日本人はまぶたに敏感ですが、欧米人ではそうではないのです。 知らない人の顔を記憶する際に顔のどこを手がかりとして使うかを調べた研究によれば、欧米人は目の色を手掛かりとする一方で(考えたら、当たり前でした!)、一