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【連載】みんなが気になる「顔」の話 By 山口真美

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「顔」や「表情」の謎を研究する心理学者・山口真美さんの連載エッセイ。人間は、他人の顔や表情、さらには自分の顔をつねに気にしていますが、その理由を、山口さん自身が行なっている研究や… もっと読む
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新連載『みんなが気になる「顔」の話』始まります!

こんにちは、集英社インターナショナル・編集者のMSと申します。 いきなりですが、コンピュータの世界では「インターフェース」という言葉がよく使われるのはご存じですよね。 インターフェースとはコンピュータと人間が接触する「境界面」のこと。 たとえばディスプレイもそうですし、キーボードやマウスなども典型的なインターフェースですね。最近ではマイクやカメラも一般的なインターフェースになりつつあります(Zoom会議など)。 スマホなどでは画面そのものが出力と入力の両方の役割を果たし

第10回 鏡を見続けると「ヤバい」わけ(後編)

(前編はこちら) 目の魅力を決める「ある部分」とは次に目の魅力の話をしましょう。 目の中の小さな部分が、人の魅力を変える力を持っています。 日本人ならば「それは、一重(ひとえ)か二重(ふたえ)の違いのことかしら?」と思うでしょうが、それではありません。 ちなみに日本人はまぶたに敏感ですが、欧米人ではそうではないのです。 知らない人の顔を記憶する際に顔のどこを手がかりとして使うかを調べた研究によれば、欧米人は目の色を手掛かりとする一方で(考えたら、当たり前でした!)、一

第13回 日本人はいつから「日本人」になるのか(後編)

〈前編から続く〉 なぜ日本と欧米を比較対照するのかさて、そこでこの連載の第1回を思い起こしてください。 相手の表情を見る際に日本人は目元に注目するのに対し、欧米人は口元に注目する──この違いはやはり生後1年前後で見られたことをお話しました。これもまた、赤ちゃんがそれぞれの社会に適応しようとして起きる変化と言えるわけです。 ところで、読者の中には「こうした研究はなぜ、いつも日本人と欧米人を比較するのか」と疑問を感じる人もあるでしょう。「白人コンプレックスでもあるんじゃない