コロナブルーを乗り越える本 宮田珠己
作家、エッセイストの宮田珠己さんが紹介する3冊には空襲、自転車、想像上の生物が登場。それらの本には、不安な時代を生き抜く術や、日常への視線を変えるものが描かれていました。
※この記事は、集英社インターナショナル公式サイトで2020年4月14日に公開された記事の再掲載です。
『東京焼盡』
内田百閒/中公文庫
空襲で焼けていく東京に住まいながら、その日常を飄々とつづった日記。毎晩のように鳴る空襲警報におびえているのかいないのか、どこか戦争を他人事のように書く強靭な筆致には驚