マガジンのカバー画像

【連載】みんなが気になる「顔」の話 By 山口真美

30
「顔」や「表情」の謎を研究する心理学者・山口真美さんの連載エッセイ。人間は、他人の顔や表情、さらには自分の顔をつねに気にしていますが、その理由を、山口さん自身が行なっている研究や… もっと読む
運営しているクリエイター

#zoom疲れ

新連載『みんなが気になる「顔」の話』始まります!

こんにちは、集英社インターナショナル・編集者のMSと申します。 いきなりですが、コンピュータの世界では「インターフェース」という言葉がよく使われるのはご存じですよね。 インターフェースとはコンピュータと人間が接触する「境界面」のこと。 たとえばディスプレイもそうですし、キーボードやマウスなども典型的なインターフェースですね。最近ではマイクやカメラも一般的なインターフェースになりつつあります(Zoom会議など)。 スマホなどでは画面そのものが出力と入力の両方の役割を果たし

第9回 顔と身体が「分離」するポストコロナ時代(前編)

コロナ禍で定着したオンライン会議2020年にコロナウイルス感染症(COVID-19)が蔓延して以来、オンラインの授業や会議が新しい日常となりました。コロナが落ち着いたところで学校の授業は元に戻りましたが、職場のオンライン会議はそのまま残りそうな雰囲気です。 オンライン会議で得たもの、なによりそれは「時間」でしょう。 オンライン会議をやってみて気づいたのは、ただ報告を聞き流すだけで、わざわざ出席して顔を合わせる必要もない会議がなんと多かったかということでした。画面を切れば会

第9回 顔と身体が「分離」するポストコロナ時代(後編)

(前編はこちら) インターネットの弱点は「身体性」の欠如だ 写真での「つながり」は問題があるとすれば、動画ならどうかと言えば、それも五十歩百歩です。 そもそもインターネットは“双方向”とはいえ、実態は一方向の通信の重なりで、“同時”に話すことはできません。  Zoomなどで大勢でつながってみるとこの不便さは歴然です。まるで会話の順番を待っている感じで、同時にわっと騒ぐことができないのです。相手と同調しているかどうか、タイミングがうまく合っているどうかが分からない。昔に比べて