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連載 言語の天才まで1億光年 高野秀行

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「誰も行かないところに行き、誰もやらないことをやり、誰も書かない本を書く」をモットーにしているノンフィクション作家、高野秀行さん。辺境の地では、テキストはもちろん辞書もないような… もっと読む
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#語学

混沌のゴールデントライアングル言語群篇 (2)チェンマイで迎えた第二の青春

言語オタクとしてこの上なく充実していた学生生活に別れを告げ、タイ語短期集中講座を経て、タイの北部のチェンマイで社会人生活をスタートさせた高野さん。 そこで待ち受けていたものとは──。

 刺激の強いアフリカのコンゴや南米を歩き回っていた私にとって、タイのチェンマイは新天地そのものだった。こぢんまりとして、町も人も気候も穏やかでのんびりしていた。

天国のような新天地
 私が赴任したチェンマイ

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ヨーロッパ・南米篇(6) フランス語との最後の闘い

理不尽なフランス人の言葉にあきれ、すっかりフランス語に愛想をつかした高野さんでしたが、フランス文学専修の学生として提出したのは、学生がそれを?! という、仰天の卒論!

 タイでの仕事に就くため、どうしても大学(フランス文学専修)を卒業しなければならなくなったという話の続きである。
 私は大学7年目の4月、単位を限界ギリギリまで登録し、4年ぶりに授業に出始めた。これが辛かったのなんの。まず、昼夜逆

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ヨーロッパ・南米篇(4)アンラッキーな言語の天才

スペイン語の方言という認識で学んだポルトガル語。3カ月、しっかり準備したはずが、いざブラジルに行って耳にしたのは……。          

 コロンビア旅行の翌年、今度はアマゾン川を河口から源流まで現地の定期船を乗り継いで旅することになった(※1)。相変わらず一介の大学生(6年生)ながら、アマゾンのガイドブックを書くという仕事を請け負ったのである。取材スタッフは私のほか、カメラマンの鈴木邦弘さん

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ヨーロッパ・南米篇(2)スペイン語は「平安京的言語」

南米アマゾンに向かうため、スペイン語を学び始めた高野さんは、その学習が快適なのに驚きます。高野さんが独自に分析し、わかりやすく解説する、スペイン語が世界で受け入れられる理由とは。

 怪獣探査のために必要だったフランス語、雷に打たれたけど特に後遺症なしというイタリア語のあと、私が3番目に出会ったロマンス諸語はスペイン語だった。
 アフリカ篇で述べた通り、なんとなく〈コンゴ〉のエキスパートになりたい

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【高野秀行 人気連載】言語の天才まで1億光年 「アフリカ篇」まとめ読み

学んだ言語は20以上、言語の天才に憧れる高野さんが、自らの言語体験をたどる人気連載【言語の天才まで1億光年】。
フランス語、リンガラ語、ボミタバ語&more!の「アフリカ篇」が完結しましたので、まとめ読みしコーナーを作成しました。高野さん手書きの地図、図版などが新たに追加されている回もあります。
なお、高野さんの言語人生を振り返りますので、一部が既刊の本の内容と重なる場合がありますが、ご了承くださ

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アフリカ篇(4)ウケる! リンガラ語学習

 なんと、怪獣探しの隊員のために、リンガラ語のテキストまで作成した高野さん。現地では物真似リンガラ語でウケを取りつつ、コンゴとザイールの違いなどを学んでいきました。 

 私と向井は結局、ザイールとコンゴに2カ月ほど滞在した。コンゴ政府と交渉したり、ムベンベが棲むと言われる湖の周辺の村々を調査して歩きながら、リンガラ語をせっせと覚えていった。帰国してから、私は他のコンゴ隊メンバーのために、リンガラ

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アフリカ篇(3)言語ビッグバン

 フランス語とリンガラ語を携え、初めてアフリカの地へ。そこで高野さんを迎えたのは強烈なリンガラ音楽と、人々の悲鳴! そして高野さんに起きたこととは──。 

 初めてアフリカの地に降り立った日のことは忘れられない。 
 私はムベンベ探索の偵察という名目で、向井という後輩と2人、パリ経由でザイールの首都キンシャサを訪れた。1987年のことだ。
 本来の目的地であるコンゴの方は前にも述べたように日本に

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アフリカ篇(2)新たな敵とリンガラ語

コンゴでの怪獣さがしのためフランス語だけでなく、リンガラ語を習おうと決意した高野さん。きっかっけは突然出現したテレビ番組制作会社の存在でした……。

 私の言語人生(なんてものがあればだが)を振り返ると、初期の段階で、節目節目に不思議な力が働いていたと思わざるをえない。コンゴへ行くためにはフランス語ができれば十分だったのに、途中から並行してリンガラ語を学習することになってしまったのだ。
 理由は、

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アフリカ篇(1)初めて「魔法」を手に入れた日

 高野秀行さんが自らの言語体験をたどる連載、第一回は、暗黒舞踏ダンサーから習ったフランス語について。その目的と、特異ながら効果的な学習方法とは。

 私は無類の言語好きで、これまで20を超える言語を習い、実際に現地で使っている。
 ・・・・・・などと言うと、「やっぱり言語の天才なんですね!」などと感嘆されてしまうのだが、残念ながら現実はまるでちがう。
 私が使える言語のなかで、最も得意なのは(日本

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