連載 言語の天才まで1億光年 高野秀行

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高野秀行 | 初体験の民族語はボミタバ語

「誰も行かないところに行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」をモットーにしているノンフィクション作家、高野秀行さん。学んだ言語は20以上、言語オタクを自認する高野さんが、自らの言語体験をたどる連載です。  今回はいよいよムベンベ探索へ出発。英語、フランス語、リンガラ語を…

高野秀行 | 仲良くなる特効薬リンガラ語の強烈な副作用

リンガラ語を習得し、ウケをとっていたら、現地の人との間で何が起きたか。抱腹の高野ワールドをご堪能ください。  現地の共通語であるリンガラ語を話すことによって、桁違いのスピードと深さで〈コンゴ〉の人たちと仲良くなる方法を確立した私たちだったが、まもなくこの効きすぎる薬の強烈な副作…

高野秀行 | 第1章 コンゴ怪獣探査と言語ビッグバン【第5回】

【第5回】 謎の怪獣はフランス語で何と呼ぶか  この連載を読んでいる方は、私がさぞやリンガラ語に堪能だったように思われるかもしれないが、残念ながらそうではない。最初は片言程度だったし、その後何度もコンゴへ通ううちにある程度上達したが、それでもリンガラ語だけの会話は難しく、フランス…

高野秀行 | 第1章 コンゴ怪獣探査と言語ビッグバン【第4回】

第4回 ウケる! リンガラ語学習  私と向井は結局、ザイールとコンゴに2カ月ほど滞在した。コンゴ政府と交渉したり、ムベンベが棲むと言われる湖の周辺の村々を調査して歩きながら、リンガラ語をせっせと覚えていった。帰国してから、私は他のコンゴ隊メンバーのために、リンガラ語の入門テキストを…

高野秀行 | 第1章 コンゴ怪獣探査と言語ビッグバン【第3回】

第3回 言語ビッグバン  初めてアフリカの地に降り立った日のことは忘れられない。  私はムベンベ探索の偵察という名目で、向井という後輩と2人、パリ経由でザイールの首都キンシャサを訪れた。1987年のことだ。  本来の目的地であるコンゴの方は前にも述べたように日本に大使館がなかったので、ま…

高野秀行 | 第1章 コンゴ怪獣探査と言語ビッグバン【第2回】

第2回 新たな敵とリンガラ語 私の言語人生(なんてものがあればだが)を振り返ると、初期の段階で、節目節目に不思議な力が働いていたと思わざるをえない。コンゴへ行くためにはフランス語ができれば十分だったのに、途中から並行してリンガラ語を学習することになってしまったのだ。  理由は、RPG…

高野秀行 | 第1章 コンゴ怪獣探査と言語ビッグバン【第1回】

第1回 初めて「魔法」を手に入れた日──フランス語  私は無類の言語好きで、これまで20を超える言語を習い、実際に現地で使っている。  ・・・・・・などと言うと、「やっぱり言語の天才なんですね!」などと感嘆されてしまうのだが、残念ながら現実はまるでちがう。  私が使える言語のなかで、最も得…