そこが「あそこ」でなくなる日まで
見出し画像

そこが「あそこ」でなくなる日まで

集英社インターナショナル

「新書は独学の友」フェア、おススメ文系本からご紹介するのは『全国マン・チン分布考』。本書のテーマは、放送禁止用語であり、活字でも伏字にされることが多い言葉。

ところが、実は帯の阿川佐和子さんの推薦文「そこのあなた!ニヤけてないで。本書はまことの学問です。」のお言葉通り、真面目な研究本なのです。

この本はどのようにして誕生したのか。まさに独学の極みのような本書完成までの歩みを、担当編集者が語りました。

すばらしい女陰全国分布図を季刊誌『kotoba』で見せる

著者の松本修さんは、テレビプロデューサー。70年代の伝説の番組『ラブアタック!』や、88年から現在まで続く超人気番組『探偵!ナイトスクープ』を、企画・演出・プロデュースしてきました。

テレビ制作についての新聞記事を拝見し、仕事術の執筆をご相談する予定でしたが、名著『全国アホ・バカ分布考』(新潮文庫)の著者でもありますので、方言のお話も聞いてみたい、と密かに考えていました。

お会いしたところ、方言についてのすばらしい分布図を見せていただき、一気にその方向に。サイズが大きく、図を見せやすい季刊誌「kotoba」で連載が始まりました。

画像1

kotoba 2017年春号から8回にわたった連載。
うち初回と第二回に大幅に加筆したのが本書です。


きっかけは『探偵!ナイトスクープ』への依頼

1995年、著者の松本さんがプロデュースする『探偵!ナイトスクープ』に20代の女性視聴者から「女陰語の全国方言分布図」をつくってもらえないかという依頼が届きます。が、その言葉は、放送禁止用語。番組で取り上げることはできませんでした。

同番組で、1991年に「全国アホ・バカ分布図」を完成させていた著者は、その後も独自に全国市町村に方言調査アンケートを行い、膨大な回答を私費を投じて集計、分布図を作成していました。

「テレビではできなくても、書籍ならできる!」と、依頼から20年以上の時を経て、カラー版女陰語・男根語分布図を完成させました。松本さんはそれらを言語地理学に基づいて丁寧に読み解き、史料を駆使し、学者や数多くの女友達にインタビューをするなど研究を重ね、既存の語源説を覆します。
その研究がエンタメ精神溢れる『全国マン・チン分布考』になりました。

真面目な学問の本なのに、楽しく書かれているので、独学がどんどん進みます。松本さん自身が突き詰めて謎を解き明かしていく過程を一緒に辿ることができるので、ご自身で勉強している気持ちにもなることでしょう。


ルーツを知れば、こんなにも美しい言葉たち

日本語は、方言は、本当に豊かで美しいということが、この新書を読めばよくわかります。
人が想いを込めて作り出した言葉。そしてその言葉は、ゆっくりと広がっていったのです。

テーマである女陰語は、ルーツを知れば、ぜんぜん恥ずかしくない言葉。今、公の場で口にすることを禁じられているのが不思議だとさえ思えます。
読んでいただき、みなさんの共通認識が得られれば、たとえば女の子を育てる人たちは、その言葉をはっきり口にすることができ、苦労しなくてすみます。

女陰が「あそこ」でなくなる日が来るよう、ぜひ読んでください。
テレビ制作で培った柔軟かつ大胆な発想で、エンタメ精神を失わず、研究、執筆された本書。かつて誰もなし得なかった研究です。

松本さんは本書を執筆しながら、女陰語・男根語に込められた情愛の深さに胸を打たれ、子どもの頃のことを想っては目頭が熱くなったそうです。

そんな愛に溢れるエンタメ独学本、ぜひ手に取ってみてください。折り込みのカラーの「女陰 全国分布図」「男根 全国分布図」も見応えあります。

『言葉の周圏分布考』


『全国マン・チン分布考』、そしてその前の『全国アホ・バカ分布考』につづく第3弾の『言葉の周圏分布考』が4月7日(木)発売予定!
圧巻の50枚以上のカラーの方言分布図で、懐かしい故郷の言葉に楽しく再会!

分布図は、文献に残されていない口語表現の語源を探るのも得意。
『源氏物語』に登場する言葉の謎を追って、古代に遡り、沖縄の先島諸島にまで足を延ばす壮大な知の旅にご一緒しましょう。
京都を中心に多重の円を描く分布図で柳田國男の「方言周圏論」についても、深く考察します。



インターナショナル新書5周年特設ページはこちら


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

更新のお知らせや弊社書籍に関する情報など、公式Twitterで発信しています✨️ よかったらフォローしてください(^^)

ありがとうございます✨️ また見にきてください♪
集英社インターナショナル
集英社インターナショナルの公式noteです。硬軟とりまぜたオリジナル連載、新刊案内など更新予定です! https://www.shueisha-int.co.jp/