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戦国飯とともに「家康の伊賀越え」に挑む! 黒澤はゆま

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「資料をとことん漁り、再現して、実食する、その執念がスゴイ!」と話題の書『戦国、まずい飯!』(弊社刊)。 そのスピンオフとして、 著者の歴史小説家・黒澤はゆまさんが、“家康の伊賀… もっと読む
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2020年11月の記事一覧

伊賀越えチャレンジ!2日目は茶畑を抜け忍者の里伊賀へ【第4回】黒澤はゆま

不思議なことが起きた。 寝袋に入り、「ああ、疲れた。さぁ寝よう」とうんと伸びをしたその腕を下ろした時には、もう朝になっていたのだ。 疲れが極限の状態で寝るとこういうことになるのかと驚愕した。 寝た実感がまったくないのだが、体力が回復した気がしないでもない。 ただ、足は筋肉痛である。 天気は快晴。 9月なのに、行き遅れの蝉が盛んに合唱していた。 暑くなりそうである。 ああ嫌だと思ったが、出発するしかない。 兵糧丸を2個水で流し込んで朝食を済ませ、バスで昨日歩いたところまで戻

伊賀越えチャレンジ!最終日は、最大の難所、峠越えへ【最終回】黒澤はゆま

■徳永寺から加太峠 伊賀越えのルートをすべて徒歩で歩くということは失敗したが旅はまだ続く。戦国飯だけで3日過ごし、兵糧丸の効果を試すという、実験は続行中なのである。 ホテルのふかふかの布団で、ぐっすり眠ったことで、結構、疲れは取れた。 寝袋やジェットボイルなど、用済みのものは家へ送ったので、ザックも軽くなる。あとは靴を変えることが出来れば最高なのだが、近隣に靴屋がないのでこちらはあきらめる他ない。 まず、伊賀上野駅から柘植(つげ)まで電車で行き、8時22分、徳永寺にたど