第5回 表情は伝染するか(後編)
(前回のあらすじ)
皺取りに使われる、ボトックス注射には顔面麻痺を一時的に作り出す作用があります。
この注射を使って、喜びの表情や怒りの表情を作れないようにしたら、喜怒哀楽の感情も消えてなくなるのかという実験が行なわれました。しかし、その実験は見事に失敗に終わりました。
「愉しいから笑うのではない。笑うから愉しいのだ」という仮説はこれで否定されました。表情が作れなくても、喜びや怒りの感情は消えてなくならないのです。
ですが、顔面麻痺などで無表情になったり、パーキンソン病になっ